11.外部委託と映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

11.外部委託と映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

こんにちは。

もうすぐ紅葉ですね。

若葉青葉が育つ春も好きですが、ものみな静かになっていく秋も良いものです。

さて、今回は、洋画『ありがとう、トニ・ルドマン』の背景となっている外部委託(アウトソーシング)を話題にします。

主人公は二人。
コンサルタントとして活躍するイネスという娘と父親トニ・エルドマンです。

 


(画像引用:『トニ・エルドマン』公式サイト)

 

『ありがとう、トニ・エルドマン』の父と

 

まずは、映画の概略を記します。

娘イネスは、グローバル企業であるコンサルタント会社で活躍する仕事一辺倒のビジネスマン。

忙しい娘を心配するドイツ在住の父親トニ・エルドマンは、娘に連絡もせず、娘の転勤先であるルーマニアへ出かけます。
そして、トニ・エルドマンはイネスにつきまとい、時には職場や客先までにも出向きます。
もちろん、イネスはトニ・エルドマンにうんざりです。

映画は、最初から最後までこの二人の交流を丁寧に描いていきます。

(正確には、父の名はヴィンフリート。トニエルドマンは父の仮名です。)

詳しくは、公式サイト「ストーリー」を。

 

コンサルタント、イネスと外部委託

 

こちらがコンサルタント役の娘イネスです。
(本名:ザンドラ・ヒューラー:1978年4月30日ドイツ生まれ)

 

(画像引用:公式サイト)

 

母国ドイツからルーマニアに転勤し、グローバルなコンサルタント会社に勤務しているのがイネスです。
(ルーマニア情報 → 外務省JETRO

ルーマニアと言えば、女子体操のナディアコマネチと独裁者チャウチェスクを思い出す方も多いことでしょう。
ワルシャワ条約機構に加盟する、いわゆる「東側の国」でした。

チャウチャスク独裁国家が革命によって倒れたのが、今から29年前の1989年。
そして、EUに加盟したのが11年前の2007年です。

2018年の主要貿易相手国は、ルーマニア国家統計局によると、
(輸出)ドイツ,イタリア,フランス,ハンガリー,英国
(輸入)
ドイツ,イタリア,ハンガリー,フランス,ポーランド

ドイツとの経済関係が深いです。

 

 

イネスは、油田採掘業会社を顧客としてコンサルティングを行っています。

油田採掘業会社は、現在、施設保守部門を自社社員で運営しています。

この部門の社員の雇用を打ち切り外部委託するか、
この是非を石油採掘会社の経営陣が検討中という設定です。

 

外部委託をする方が経営的には良いのですが、

・外部委託するならば、「仕事の引継ぎ」がうまくいくのか?

・労働組合との「雇用を巡る交渉」がうまくいくのか?

を経営陣が懸念しています。

外部委託を選ぶならば、数百人が職を失います。

困ったことに、「自分が悪者になるという責任を負う肚」が経営陣にないのです。

 

経営陣がこんな時に利用するのが、「Theコンサルタント会社」。

資本主義に移行したルーマニアでも事情は同じなのですね。

 

イネスは、経営陣の言動と本音に右往左往しながらも初回のプレゼンテーションに臨みます。

プレゼンの後で、ふとイネスが高層階から窓越しに見たのは、小さな家が密集する姿。

ドイツとルーマニア間、さらにルーマニア国内における経済格差をイネスは目の当たりにします。

 

イネスは次回のプレゼンで何を提案するか、プレゼンを受けて石油採掘会社が外部委託を選ぶのか、
結論は分からないまま映画は終わります。

 

 

コンサルタント会社と社員はどこを向いて働くのか?

 

コンサルタント会社は、顧客の利益を最優先します。

問題は、「顧客の利益」と「従業員の雇用と福利」が相反する場合、
および、「顧客の利益」と「社会全体の利益」が相反する場合です。

 

コンサルタントの一人として、どこを向いて働けばよいのか?

 

私には正しい答えが分かりません。

最初に投稿しました記事を貼るのみです。

1.「仏壇の前に座って、答えを求めます」

 

 

今までの投稿記事

 

1.「仏壇の前に座って、答えを求めます」

2.マティーニ

3.コンサルタントは無料?

4.良き友三人ー徒然草より

5.ほんとうはね、、、、。

6.ティーチングとコーチングの違い

7.「1on1」(Google・Yahooなどが取り入れている指導法)が効果的!

8.ワールドカップに見る、西野監督の胆力

9.「メラビアンの法則」を利用したコンサルタント

10.「”have to” 型コンサルタント」 と「”want to” 型コンサルタント」

11.外部委託と映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

 

 

 

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