10.「”have to” 型コンサルタント」 と「”want to” 型コンサルタント」

10.「”have to” 型コンサルタント」 と「”want to” 型コンサルタント」

こんにちは。

今年の夏は暑かったですね。

被災地の方々の心身のお疲れ、いかばかりかと拝察します。

 

今回は、”have to” から “want to” への発想転換について述べます。

 

まずは、”have to” の意味を “must”との比較を通して確認します。

 

 

コンサルタンントにおける “must” と “have to” の違いについて

 

中学生のころ、”must” は「しければいけない」という意味だと教わりました。

同時に、”must” と対比して “may” は「してもよい」という意味だとも教わりました。

“must” は厳しくて嫌な単語だなと感じたことを覚えています。

そして、いつでしたか忘れましたが「”must”と”have to”は同じ意味です」とも教わりました。

当時は何も考えず受け止めていました。

しかし、最近になって、”must” と “have to” は本当に同じ意味だろうかと疑問を持ちサイトを検索しました。

すると、次のようなことが分かってきました。

1.
“must” も “have to” も同じ「しなければいけない」という意味である。

2.
しかし、ニュアンスとイメージの違いがある。

3.
“must”
・コアイメージは「これしかないモノが迫ってくる」。
・用法は「義務」「強い確信」「強いオススメ」。
・「私自身の気持ち」という内的要因で「しなければいけない」。

 

4.
“have to”
・コアイメージは
(状況的に)~しなければいけない」。
・用法は「(状況的に)~しなければいけない」。
・「客観的な必要性」という外的要因で「しなければいけない」。

 

5.
特に主語を “you” とすると、違いが際立つ。
・”You must” は「直接的な指揮命令」であり強制的なニュアンスが強い表現。
・”You have to” は「状況や規則による誘導」であり必要条件を伝えているような感じになります。

 

 

コンサルタントにおける「しなければいけない」は、”have to” がふさわしいですね。

 

次は本題に入ります。

日々の行動は、”have to” ですか? ”want to” ですか?

 

ある平日。

朝から夜中までの行動を思い出してみましょう。

・目が覚めベッドから出る。
・朝食を摂る。
・洗面をする。
・トイレ。
・新聞を読む。
・着替える。
・出勤する。
・電車に揺られる。
・社に到着する。
・メールとサイトをチェックする。
・勤務する。
・昼食を摂る。
・勤務する。
・退社する。
・電車に揺られる。
・ジムで汗をかく。
・買い物をする。
・自宅に到着する。
・調理する。
・皿洗いする。
・風呂に入る。
・テレビを観ながら夕食を摂る。
・読書、音楽鑑賞、酒、ネットサーフィン。
・時に営む。
・寝る。

 

 

さて、これらの行動をとるときの意識と気持ちを振り返りましょう。

“have to” で動いていますか?

それとも “want to” で動いているでしょうか?

無意識にとる行動ではあるものの、あらためて考えてみると多くの行動が “have to” から始まっているのではないでしょうか?

 

なにも “have to” がいけないとは言いません。

立てた目標に近づくためには幾つもの “have to” が必要ですね。

 

しかし、行動の多くが “have to” であるということは残念な気がします。

“want to” から動くことがもっと多くても良いと思うのです。

 

 

『遊びやせむとや生れけむ』

 

850年ほど前に編纂された歌謡集の歌の一節です。

あとに『戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ』と続きます。

色んな解釈と感想があるかとは思いますが、私はこんな風に思っています。

 

子どもがそうであるように、人はだれしも夢中になって遊び楽しむために生まれてきたのだ。

働くために生まれてきたのではない。

どんな生き方が得だとか意味があるとかなんて二の次。

ウキウキすることがあれば、「するな」と言われても自然と心と身体が踊るものである。

 

 

“have to” ではなく “want to” から動くことこそが、人が生きる根源的動機だと思います。

このことは、仕事も同じこと!

 

「”have to” 型コンサルタント」 から「”want to” 型コンサルタント」へ

 

さて、コンサルタントの話に移ります。

顧客が変化するときはどんな時でしょうか?

顧客が納得して行動に移すときはどんな時でしょうか?

現状を分析し問題点を浮かび上がらせ、改善までの道筋を示した時でしょうか?

 

「やらされ仕事からはしたくない」が顧客の本心ではないでしょうか。

「コンサルタントからの指摘が理が通っていて『しなければいけない』と分かっていても、できればやりたくない」と抵抗したくなるのが人の常ではないでしょうか。

 

いくら “have to” を説いても顧客が実際に変化し行動に移さなければ意味がありません。

顧客、特にトップの “want to” に火をつけることが早道です。

 

 

「〇〇したい」
「〇〇に自分を託したい」
「〇〇が自分の生きる意義だ」

この「〇〇」こそが改革の原動力となります。

 

“have to” から始まる改革なんてしれたものです。

自己啓発セミナーと同じもので、一時の盛り上がりに終わるケースが多いです。

“want to” が基となり灯った火を継続させることがコンサルタントの手腕ではないでしょうか?

 

 

※ 英語画像引用および英語解説参考サイト→“must” と “have to” の違い

 

 

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