日本は予選リーグのポーランド戦に負けましたが、決勝トーナメント進出を果たしました。
朝早く目覚めてテレビを入れると、ベルギー相手に日本が2点をリード。
驚きました!
その後、立て続けに2点を入れられ同点。
さらにアディショナルタイムにカウンターをくらい、結果としては2×3で負けました。
→3点目のカウンター(YouTube)
リアルタイムで私が観たのはベルギーの3得点だけというトホホでしたが、優勝候補相手に見事な戦いぶりだったと思います。
→試合ダイジェスト(YouTube)
今回は、「予選リーグ最終戦」で西野監督がとった選択について、コンサルタントの視点で、感想を述べたいと思います。
予選リーグ最終戦 日本×ポーランド、セネガル×コロンビア
ネットでは、予選リーグ最終戦における西野監督の采配を巡る記事を多く見かけました。
まずは、日本がポーランドとの最終戦を迎える時点での状況をおさらいします。
1.
日本がポーランドに勝つか引き分けならば、決勝トーナメントに進める。
すなわち、日本の決勝リーグ進出は「自力」で決定します。
2.
日本がポーランド戦に負けた場合は、同時進行のコロンビア×セネガル戦の結果による。
・コロンビアがセネガルに勝てば、日本が進出。
・コロンビアとセネガルが引き分ければ、日本は進出できない。
・セネガルがコロンビアに勝てば、セネガルと日本の3試合分の得失点差・総得点・警告カード差によって、日本が進出できるかどうかが決まる。
すなわち、日本の決勝リーグ進出は「他力」によって決定します。
次に、当日の日本×ポーランド戦と、同時進行だったセネガル×コロンビア戦を時間経過に従い記します。
1.後半14分
日本はポーランドに失点する。
(日本0×ポーランド1)
2.後半29分
コロンビアがセネガルから1点を奪う。
(セネガル0×コロンビア1)
この時点で、両試合の得点と勝敗がこのまま動かなければ、日本が決勝トーナメント進出ということになる。
しかし、もし日本がさらに失点するか、日本が失点しなくともセネガルが1得点入れたならば、日本は決勝トーナメントに進出できないこととなる。
3.後半30分~35分ごろ
西野監督は、コロンビアがセネガルから1点を奪ったことを知る。
4.後半40分~試合終了までの10分間(アディショナルタイムを含む)
西野監督の指示により、日本は攻撃を止め自陣でボールを回す。
同時にポーランドも攻撃を止めボールを奪おうとしない。
他方、セネガルはコロンビアに攻撃するが得点を奪えない。
5.両試合が終了
日本0×ポーランド1
セネガル0×コロンビア1
1位: コロンビア 勝ち点6
2位: 日本 勝ち点4
3位: セネガル 勝ち点4
4位: ポーランド 勝ち点3
日本はセネガルと勝ち点・得失点差・総得点・両国間の勝敗とも同じだが、
警告カード点数が少ないため、日本の決勝トーナメント進出が決定した。
西野監督の選択
西野監督は、日本の決勝トーナメント進出の可能性を次のどちらに賭けるかを決断しました。
A案:日本が攻め、ポーランドに同点で追いつく可能性(自力進出)。
B案:同時進行のセネガル×コロンビア戦がこのままの結果で終わる可能性(他力進出)
西野監督はB案を選択する決断をしました。
そして、この決断は吉と出ました。
試合終了までの10分間、西野監督は祈るような思いだったことでしょう。
日本が頑張ることを祈るのではなく、セネガル×コロンビア戦がこのままのスコアで終わることを祈ったのです。
この西野監督の決断には、賛否両論ありましたね。
(画像引用:読売新聞)
動かないという決断
自社の業績が思うような結果をあげていないとき。
他社の芳しい活躍を知るとき。
経済の動きが活発なとき。
このような時は焦るものです。
動かなければいけない。
人事制度を変えよう。
商品開発で多角化を図ろう。
マーケティング手法を見直そう。
新たな領域に営業をかけよう。
組織改革をしよう。
前向きで結構なことです。
しかし、社員の視点を想像なさってください。
社員は経営者をしっかりと見ているものです。
確実な戦略に基づいた変革ならば良いのです。
到達目標が明確で、ある程度の道筋が練られているならば良いのです。
しかし、焦りから生まれた戦術変更、時には朝令暮改になりかねない変更が度重なると社員は疲労感を持ち、そのうちに疑心暗鬼の渦に巻き込まれるものです。
経済の動きと業界の動向をしっかりと見極めてさえおれば、あえて「動かない」という選択も考えたいものです。
動かないということは、決して「他人任せ」ではありません。
「動かない」という決断が出来るのは、肝が据わっていないとできません。
自分を信じ、他者を信じなければ出来ないことです。
逆に言えば、すぐに動きたくなる人は、安心感・信頼感というものがなく落ち着かないのでしょうね。
心が不安と焦りに満ちているのかもしれません。
「動かない」ということを考えさせられる西野ジャパンでした。
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